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【年末年始、何観る?】映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』『バルド、偽りの記録と一握りの真実』『ホワイト・ノイズ』

3 films

12月Netflixでは『ナイブズ・アウト: グラス・オニオン』をはじめ、新作海外映画を続々配信します。年末年始に注目の3作品をクリエイターの言葉とともにご紹介します。

『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』(12月8日より独占配信中)

『パシフィック・リム』『シェイプ・オブ・ウォーター』の鬼才ギレルモ・デル・トロ / 悲願のストップモーション長編アニメーション映画

児童文学の金字塔であり世界中で愛され続ける愛と悲しみの物語を、アカデミー©︎賞授賞監督の鬼才ギレルモ・デル・トロが監督・脚本・製作を務め、新たな命を吹き込み映像化したストップモーション長編アニメーション映画『ギレルモ・デル・トロのピノッキオ』。

おもちゃ職人のゼペットじいさんに作られた木の不思議な人形の男の子ピノッキオが、世界をつなぐ魔法の冒険を繰り広げ、苦難を乗り越えていく、命をも与えられる愛の力を描く物語だ。

ギレルモ・デル・トロのアニメーションとストップモーションアートへの生涯にわたる情熱は、彼がメキシコのグアダラハラで育った幼少期に端を発する。8才になる頃には、自身のおもちゃと父親のスーパー8カメラを使って、素人ながらストップモーション映画の撮影を始めた。10代でクレイメーションを教えるようになり、その過程で40年後に実を結ぶことになる野心的なアイデアを思いついた。それが、人形に命を吹き込む名作童話「ピノッキオ」の映画化だった。 

デル・トロにとって12作目となる長編映画だが、本格的に取り組んだきっかけは、アニメーションの上手な教え子と組んでストップモーションを作ったことだったという。『ピノッキオの冒険』を制作するにあたり「当時ストップモーションで『フランケンシュタイン』のようにしたいと考えていた。つまり、あるキャラクターが未知の世界に投げ出され、自分は何者で、この世界で何をしているのか、なぜ存在しているのかを見出す物語だ」と語る。「この数十年で世界はより複雑になり、子供たちは非常に複雑な事柄に疑問を持ち、知りたがっている。子供たちの感情はとても複雑になるばかり。何が真実で何が嘘なのか、家族を結ぶ絆とは何なのか、人間とは何であり、生きているとはどういうことなのか。こういう対話が世界には必要なのだと感じている」という。

デル・トロはコッローディの原作を、これまで映画化されてきたどの作品よりもダークで実存的な色調に寄せ、観る者を不思議な世界に引き込むアニメーションスタイルと組み合わせることで、大人から子供まで、あらゆる視聴者に向けて、喜びに満ちながらも切なく、空想の世界でありながらも心に響く作品を目指した。「私は、どんな視聴者にも観てもらえるような心温まる映画を作りたかったが、同時にアニメーションの中でも最も繊細で職人的なスタイルを可能な限り押し進めたいと思った。アニメーションは、ファミリー層に支持されるジャンルから、映画として認められる芸術の領域に押し上げられるべき重要な時期を迎えていると思う。私にとってのアニメーションは、技術的にもテーマ的にも芸術的にも、もう少し大胆に最高な形で物語に取り組むことで、その壁を破り、心に響くようにしなければならない。『ピノッキオの冒険』はそういう物語だ」。

またデル・トロは「日本のおかげでアニメーションは発展を遂げてきた。日本人はアニメーションをジャンルとしてではなくアートとして理解している。日本のアニメーター、作品にかける情熱や物語性は並外れている。そんな国は世界のどこにもない」と話し「日本の視聴者の反応が気になる」と語っている。

TUDUM クリエイターズパネル / メイキング映像

『バルド、偽りの記録と一握りの真実』(12月16日より独占配信中)

「レヴェナント」「バードマン」のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督最新作 / メキシコ出身の監督の私体験が詰め込まれた壮大なノスタルジック・コメディ

5度アカデミー賞®を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督最新作『バルド、偽りの記録と一握りの真実』は壮大な心の旅路をテーマにしたノスタルジックなコメディ。「レヴェナント: 蘇えりし者」以来の長編映画となる。

ロサンゼルスを拠点に活躍する著名なジャーナリスト兼ドキュメンタリー映画製作者の主人公シルベリオ・ガマが、自らのアイデンティティや家族との関係、かつての自分の愚かさ、そして祖国の過去などの問題と向き合いながら、生きる意味を見つけていく姿を描いた物語。彼は現在の自分に折り合いをつけるため、自身の過去と向き合う。濃密かつ感動的な心の旅路を美しい映像とともに描く、壮大で没入感のある物語。

2000年に『アモーレス・ペロス』で長編映画監督デビューし、同作で第53回カンヌ国際映画祭の批評家週間部門、第13回東京国際映画祭でグランプリを受賞、アカデミー外国語映画賞にノミネートされたイニャリトゥ監督。2022年10月、14年ぶりに復活した東京国際映画祭の黒澤明賞を受賞し再び来日している。ジャパンプレミアに登壇した監督は、「今までのキャリアで築いたものとは異なるアプローチをとっている。移民をテーマに扱った作品が3本あるが、目を見開いて撮った。今作は逆に目を閉じて、自分の内なる想いを込めた内省的な作品になっている。様々なイメージや想いがよぎった。自分のこれまでの経験、恐れ、後悔がない混ぜになって『バルト』を編み上げている。私と家族は21年間メキシコを離れていたが、ノスタルジーを感じている。祖国を離れた間に失ったもの、個人の記憶、集合的な記憶、そして多くの移民した人の気持ちが反映されている」と、自身のアイデンティティが込められた作品であることを語っている。一方、本作は私的で自身の考えや体験を盛り込みながらもあくまでフィクションだ。「たとえ”自分自身の人生”を形作る物語であっても、それは私たちの限られた神経系が主観的に経験した出来事で構成された偽りの蜃気楼にすぎない。記憶は真実を欠き、感情という確信があるのみ。その感情の中にある真実を、私はいろいろなものが入り混じった巨大な引き出しの中から探そうとした。すると、かつて重かったものが軽くなり、ユーモラスになっていった。」「感情を言葉にしたり映像にするのは難しい。故郷を離れ自分のアイデンディティを切り離された感情をどのように描くか試してみたのがこの作品だ」と監督は話す。

監督は本作を見る心構えについて「映画は“夢”を演出したものだという。まさにその通り。皆さんの論理的に物をとらえるスイッチをオフにして、論理とか理屈は置いておいて、夢を感じてほしい。この映画で理解しないといけないことは何一つない。まずは感じて。ユーモアを持ってアプローチしたので、笑える部分もある。一緒に空を飛ぶような経験に招待したいと思う。気持ちを解き放って、本当に自分の感情に忠実に映画の旅路を楽しんでほしい」と話した。

東京国際映画祭 記者会見映像 / 舞台挨拶

『ホワイト・ノイズ』(12月30日より独占配信)

『マリッジ・ストーリー』『マイヤーウィッツ家の人々 (改訂版)』ノア・バームバック監督・脚本 / 日常の中での葛藤、愛と死がテーマの風刺的なヒューマンドラマ

『ホワイト・ノイズ』は、バームバックとアダム・ドライバー (『マリッジ・ストーリー』『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』) の5度目のタッグとなる作品。これまでオリジナル作品を手掛けてきたバームバックが初めて原作のある作品に取り組んだ。家族の絆や人間関係の本質を描きながら、バームバック作品には目新しいアクションや群集のシーン、視覚効果などはこれまでの彼の作品では観たことのないスケール感が詰まった作品となっている。

化学物質の流出事故に見舞われ、死を恐れ錯乱してしまった大学教授(演:アダム・ドライバー)が、命を守るため家族とともに逃走する。『ホワイト・ノイズ』は、滑稽でありながら恐ろしく、叙情的で不条理、日常的で終末的な出来事をたどる。現代のアメリカ人家族が、日常生活の中でありふれた葛藤に直面し、愛や死という普遍的な問題に向き合いながら、予想不可能な世界の中で幸せのあり方を模索する姿をドラマチックに描く。

原作のドン・デリーロの小説は複数のジャンルを融合したフィクションで、日常生活の不安をユーモアのある視点でとらえ、アメリカーナと呼ばれるカルチャーを新鮮かつ内省的に描いている。「『ホワイト・ノイズ』は、死という問題に真っ向から向き合った作品だ。自分の人生を本当に生きるには、人生に終わりがあることを受け入れるしかない。デリーロは、この矛盾しているかのような発想を受け入れるため、我々が日々どのように対処し、自分たちを守っているのかを描いている。」

そしてデリーロは“危険な時代に生きること”について描いたといい、本作がこの小説が執筆されて40年経った今もなお新鮮に感じられる理由かもしれない。デリーロの言葉に親近感をもったというバームバックは「彼はアメリカのポップカルチャーや言い回しを見事に文章に織り込んでいて、その言葉にはある種の洗練されたリアリティが感じられる。この小説は登場人物とその家族のドラマである一方、構成やストーリーには社会を風刺する要素もある。そのトーンを維持しつつ、映像作品に作りかえる必要があった。この小説は基本的に、テレビ、ラジオ、広告、映画文化、映画のストーリーテリングなど、アメリカ文化全体を題材にしているので、素晴らしい映画の素材になりうると感じた」と企画の成り立ちについて話す。「風刺的であるだけではなく、この本には家族というものが持っている、むき出しの人間らしさに対するユーモアと愛情が込められている」とバームバックは語る。「この物語では日常的な出来事と非日常的な出来事の両方が起こり、ある意味、登場人物たちにとってはどちらも同じくらい困難だ。第1章は、日常的な出来事から始まる。子供たちを学校に送り届け、買い物をし、仕事に行き、良きパートナーであり、健康でいようと日々振り回されている が、その一方でテレビやラジオから流れてくる外部のデータや情報に常にさらされている。その葛藤が描かれる。それは、死を否定する気持ちをエンターテインメントの中で死を描くことで昇華させていること、そしてそれは自分たちを納得させるために私たちが作り出した儀式や戦略であることを表す。第2章では、グラッドニー夫妻が有毒雲という現実の災害に直面し、テレビで見ていたことと実際に起きていることのギャップを受け入れることができずにいる。このあたりから、登場人物たちの死に対する考え方が変わってくる。そして第3章では、すべての点と点がつながり衝撃の結末を迎えるのだ。」 人間性、脆弱さ、仲間意識、誰にでも潜む死への恐怖など、ノアがこれまで描いてきた彼が重視しているテーマが盛り込まれている本作に注目だ。


年末年始に見返したい作品コレクション【好きなものに、乾杯!】も公開中。

http://netflix.com/celebrate-your-favorites

様々な切り口で年末年始に見たいおすすめ作品を特集しています。まだ見ていない作品、見逃していた作品をこの機会にぜひご覧ください。

また12月20日から「#ネトフリこれ観てた2022」キャンペーンを開催。今年見たお気に入りの作品名と感想をTwitterで募集しています。ぜひあなたのイチオシ作品を教えてください。