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2022年12月20日コミックから派生し映画・アニメ・TV ドラマ・ミュージカル化もされてきた世界的人気作「アダムス・ファミリー」に登場する、長女ウェンズデーを主人公に迎えた異色で奇妙な推理ミステリー「ウェンズデー」。配信開始後3週間経った今も、90ヵ国で Netflix の週間 TOP10 (シリーズ)首位をキープ累計視聴時間は10億2000万時間を記録。配信開始から28日間以内の累計視聴時間が10億時間を越えたのは、「ストレンジャー・シングス 未知の世界 4」「イカゲーム」に次いで「ウェンズデー」が3作目となった。Spotifyではサウンドトラックも話題で”ウェンズデー現象”が起き、ゴールデン・グローブ賞にもノミネートされている。
『シザーハンズ』、『チャーリーとチョコレート工場』、「アリス・イン・ワンダーランド」シリーズ、『フランケンウィニー』など数々の名作を生み出してきた監督・製作総指揮のティム・バートンに「ウェンズデー」の制作について聞いた。
― 長年多くのファンを魅了してきた作品を、新たな視点で描くことになったときの気持ちは?
バートン: 以前アニメーションなどの形で「アダムス・ファミリー」のオファーを受けたことがあるが、オリジナルがとてもうまくできていたので(受けなかったんだ)。今回いいなと思ったのは、作品がウェンズデーに焦点を当てていたことだ。ウェンズデーは前から大好きなキャラクターだったからね。ウェンズデーにはとても強い繋がりを感じている。彼女の人生観、人間観、親や教師に対する考え方など、私たちはどれも共有している。だから、この作品にはとても共感できたし、何故かよりリアルに感じられた。これまでの「アダムス・ファミリー」はいつもいい意味で、大げさでマンガっぽい感じがしたが、この作品では親や学校、社会などの問題を扱っていて、そういう意味でよりリアルでエキサイティングな企画だと感じたんだ。
- 本作の配信の発表をきっかけに、日本でも「アダムス・ファミリー」への熱が再燃しています。そんな日本のファンに向けて、〈「アダムス・ファミリー」好きに必見のポイント〉は?
バートン: この作品の面白いところでもあるが、他の作品のウェンズデーは、いつも少女として描かれている。だから、ティーンエイジャーになったウェンズデーがどんな感じなのか、とても興味があったんだ。白か黒かしかない、はっきりとした彼女の人生観はそのままに、ティーンエイジャーとしてどのように成長していくのか。そこには様々な色合いがあると思った。また、モーティシアとゴメズも極端な人物たちだが、親でもある。そこにも他とはちょっと違ったある種のリアリティがあるように感じた。その辺が「ウェンズデー」の他とは違う魅力だと思う。少女からティーンエイジャーになったウェンズデーの姿をぜひ見てもらいたい。
― 本作を製作するにあたり、これまでの「アダムス・ファミリー」を踏襲した点と、あえて異なるアプローチをとった点は?
バートン: オリジナルであるチャールズ・アダムスの一コマ漫画に始まり、私が見て育った60年代のTVシリーズ、そして映画版もありますが、異なるアプローチを取ったとしても、核となる要素からは逸脱しないように心掛けた。実際、ゴメズとモーティシアはオリジナルのドローイングに立ち戻っている。漫画の2人はかなりミスマッチなカップルだよね。だから今回のキャスティングも、昔のTVシリーズや映画とは少し違う、ちょっとミスマッチ感が強いものになっている。そうすることで、よりオリジナルの漫画やドローイングが大切にしていたものを表現できると考えたんだ。ウェンズデーが成長してティーンエイジャーになっても、彼女のシニカルで、白か黒しかないダークな人生観から逸脱することはしなかった。ユーモアを含め、これらすべてが「アダムス・ファミリー」の核となる要素だから。少し変更を加えたところはあるが、「アダムス・ファミリー」の核となる部分には忠実であろうと気をつけている。
ー これまでの監督の作品でも、アウトサイダーや“はみだ者”であることが何を意味するのかを探求されています。このテーマは「ウェンズデー」にどのように反映されていますか?
バートン: 私にとってウェンズデーは、典型的なアウトサイダーだ。何が面白いって、彼女はアウトサイダーのための学校に通っている。のけ者たちのための学校で、のけ者になっているんだ。そこが面白い。ほとんどの登場人物が奇妙な"のけ者"なので、そのバランスを取るのが楽しかった。ウェンズデーはその点では、究極の"のけ者"だ。私にとっては共感しやすく、そういうテーマで作品を作り続けることにカタルシスを感じている。自分もその気持ちがわかるから。
- 具体的に監督がウェンズデーに共感したところは?
脚本を読んだ瞬間に学生時代の思い出が蘇ってきた。プロムに行った時のことや、学校が嫌いで馴染むこともできなかった、あの時の気持ち。変わり者として変わり者の集団の中にいてもやっぱり孤独だった。それから、親のことや、セラピーや、あの頃経験したこと全部を思い出した。脚本に水球のシーンがあったが、実は高校時代に水球をやっていた。そんな風に、学校や両親にまつわる奇妙でちょっと辛い、変な思い出がたくさん蘇ってきた。こういった思い出が強かったので、ウェンズデーに自分を重ねるのはとても簡単なことだったよ。それに私の精神年齢は14歳の女の子くらいなんだ。笑 今の私のメンタルはちょうどそのあたりなんだよ。
― 何度も来日されていて“日本好き”のティム・バートン監督ですが、「ウェンズデー」の中に、日本から受けた影響はありますか?
バートン: 日本映画や日本の怪獣作品を観て育ったので、直接的に日本的な要素が出てくるかどうかは関係なく、日本はいつも私の心の中にある。「ウェンズデーでは」日本人のキャラクターYoko Tanakaとして、ナオミ・J・オガワが吸血鬼の一人を演じてくれたが、作品の中で明らかであろうとなかろうと、日本はいつも私のインスピレーションになっているよ。私は日本や日本の文化が大好きなんだ。
― 本作は監督初のドラマシリーズですが、制作はいかがでしたか?
バートン:映画しか作ったことがなく、これが初めてのシリーズだったが、基本的には映画を作っているようでありながら、少し断片的な体験だった。いくつかのエピソードは自分で監督し、他のエピソードは他の人が監督したが、他のエピソードも私が関わるので、少し奇妙なプロセスだった。とても興味深い経験だったよ。また、ルーマニアに9か月も行って、ちょっとした冒険だった。ルーマニアに行ったことで、「アダムス・ファミリー」のヴァイブを出せたのも面白かったところだ。
- 本作には映画「アダムス・ファミリー」でウェンズデー役を演じたクリスティーナ・リッチも登場します。ファミリーを知り尽くす彼女の存在は、本作の物語にどのような影響を与えましたか?
バートン: 最高だったね。何年も前に『スリーピー・ホロウ』で一緒に仕事をして、それ以来きちんとした形では会っていなかったので、再会できたのが嬉しかった。彼女は最高のウェンズデーを作り上げ、かなりハードルを上げた。再び会えたのも最高だったし、彼女はとてもいい「気」を持っている。「ウェンズデー」と「アダムス・ファミリー」を守りに来た守護天使のように感じた。「ウェンズデー」に参加してもらえたのも、ジェナを認めて応援してくれたのもとても嬉しかったよ。ジェナには先人たちに続かなければいけないという、とても困難な仕事があったので。でもジェナも自分らしいウェンズデーを生み出し、クリスティーナもそれを認めてくれたんじゃないかな。だから、撮影現場はとても良いエネルギーとスピリットに満ちていたよ。
― 最後に日本の皆さんにメッセージをお願いします。
こんにちは、ティム・バートンです。「ウェンズデー」は楽しんでいただけましたか。楽しいクリスマスとよい新年を!
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http://netflix.com/celebrate-your-favorites
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