ビジネス
2023年1月19日Netflixの創業から25年。この25年は私の誇りであり、また次の25年をとても楽しみにしています。世界をもっと楽しませ、Netflixメンバーの皆さんにさらに多くの喜びをお届けするために、Netflixにはまだまだできることがたくさんあります。
私たち取締役会は、何年にもわたって後継者計画について協議してきました。創業者だって進化し続けなくてはならないのです。そのプロセスの一環として、2020年の7月にテッドを私と並ぶ共同最高経営責任者に、グレッグを最高執行責任者に任命し、この2年半でNetflixの経営を担うタスクを彼らに次々と任せてきました。
新型コロナウイルスやビジネス面での課題の数々に直面し、内からも外からもまさに厳しい試練の連続でした。そんな中、2人は見事に経営の舵を取り、Netflixをさらに良くしながら、収益・利益の成長を再加速させるための明確な道筋を見出してくれました。そして今、2人が私の役割を完全に引き継ぐ時が来たと取締役会と私は確信しています。
本日付けで、グレッグ・ピーターズは最高執行責任者からテッドと並ぶ共同最高経営責任者に昇進し、私自身は会長に就任します。ジェフ・ベゾスやビル・ゲイツなど、多くの創業者が最高経営責任者のバトンを誰かに渡した後に就くポジションでもあります。テッドとグレッグと私は、異なる役割を担いながら、15年にわたり共に仕事をしてきました。長く良く続く関係にはよくあることですが、私たちはお互いのベストを引き出す術を心得ています。会長というポジションで、この先もずっと彼らと共に仕事ができることを楽しみにしています。
テッドとグレッグは、成功と失敗を共有する中で、互いへの大きな信頼と尊敬の念を培ってきました。それに彼らは間違いなく、常にNetflixを最優先に考えて動いてくれる人たちです。こうした資質に加えて、2人には互いを補い合う能力と、エンターテインメントとテクノロジーへの造詣の深さ、そして、Netflixにおける揺るぎない実績があります。Netflixの成長を加速させ、より長期的かつ大きな成功を実現するために、この2人の力がNetflixという会社をますます面白くしてくれるでしょう。
振り返ってみると、テッドはその先見の明と手腕で、早くからオリジナル作品の製作を推し進め、Netflixの方向性を変化させました。その後間をおかず、国際的なオリジナル作品、映画、アニメ、リアリティ/ドキュメンタリー番組へと拡大し、Netflixのコンテンツの幅を大きく広げるという大きな決断をします。懐疑的な意見が多かった中で、これはきわめて勇気のいることでした。一方グレッグは、パートナーシップの主導、広告の企画と立ち上げ、より詳細なパーソナライゼーションの推進、人材組織の再構築、そして、企業文化の強化に貢献してきました。また、Netflixの日本法人で数年間ゼネラルマネージャーを務めたこともあり、日本発のオリジナル作品の立ち上げ最初期を支えた人物でもあります。現在彼は、Netflixのゲーム事業の戦略構築を担当しています。
私自身は、グレッグとテッドの手助けをしながら、会長としての役割を果たすべく、取締役会と共同最高経営責任者をつなぐ架け橋になれればと思っています。また、慈善活動にかける時間も増やしつつ、Netflixの株価向上を目指して引き続き尽力していきます。
加えて本日、ベラ・バジャリアをコンテンツ最高責任者に、スコット・ステューバーをNetflix映画部門チェアマンに任命しました。TV番組部門・映画部門全体を通じて、これまでの大きな躍進を支えてきた2人のリーダーシップは素晴らしいものがあります。
会社として新たなモメンタムと成長を再び加速させるための明確な道筋をもって、Netflixは2023年をスタートします。テッドとグレッグのリーダーシップ、そして、この25年よりさらに素晴らしい次の25年を担う2人の才能に期待しかありません。
Netflixの新章と新しいリーダーシップを祝して。- リード・ヘイスティングス