エンターテインメント
2022年1月7日ウィズコロナですっかり生活に溶け込んだ動画配信サービス。とくに、ここでしか見られない」という希少性で人気を誇るNetflixは、2021年もオリジナリティーの高い作品が次々と登場した。中でも話題を呼んだのは、「全裸監督」シーズン2だ。アダルトビデオ界の革命児・村西とおるの破天荒な半生を描いたドラマシリーズで、19年にシーズン1が世界配信されるや一大ムーブメントに。日本国内の会員数が500万人を超え(2020年9月時点)、Netflixを日本で定着させる要因にもなった。シリーズを通して手掛けた武正晴総監督は「シーズン1は映画で言えば前編のようなもの。折り返してからのシーズン2こそ描きたかったものだ」と語っていたが、コメディタッチの前作から一転、ヘビーかつシビアに栄華を極めた主人公がバブルの崩壊とともに地に堕ちていく姿を描く。昭和から平成という時代を見事に再現したセットの中で、村西に憑依した山田孝之はもちろん、その仲間たちに扮した玉山鉄二、満島真之介、そして伝説的女優である黒木香役の森田望智に、乃木真梨子役の恒松祐里らの熱演は視聴者を釘付けに。コンプライアンスほか、様々な縛りのある地上波でなかなか見られない日本人俳優たちの底力は素晴らしく、「Netflixだから楽しめる…」という魅力を高めることにもなったと言える。
2022年は日本発の長編映画にも関心が集まった。4月に配信された『彼女』は衝撃的な展開で知られる中村珍の漫画「羣青」の実写化。恋愛映画の名手、廣木隆一監督のもと、水原希子と「ゲスの極み乙女。」のドラマー、ほな・いこかとしても知られるさとうほなみが二人の主人公の愛憎を渾身の演技で体現。Netflixならではのチャレンジングな作品として評価された。こうしたエッジの効いた作品を推し出す一方で、11月に配信された『ボクたちはみんな大人になれなかった』はあらゆる世代が共感したと言われる燃え殻のベストセラー小説の映画化。90年代のサブカルを盛り込んで描かれる普遍的なラブストーリーを森山未來と伊藤沙莉の好演も手伝って人気に。12月にはビートたけしの自叙伝を原作にした『浅草キッド』を配信。誰もが知る芸人の青春時代を、劇団ひとりが監督・脚本、国民的人気を博す大泉洋と演技派俳優・柳楽優弥のW主演で演じるとあって前評判も高かったが、初登場で「Netflix人気作品TOP10(映画)」の1位獲得。その後も2週連続で1位をキープした。Netflixの日本映画もいよいよメジャー感を増してきたと感じさせるものになった。
さて、期待が高まる2022年、まずチェックしたいのが、1月13日に配信のドラマシリーズ「新聞記者」だ。2019年に公開され、日本アカデミー賞作品賞受賞した映画のリブート版。映画と同じく監督は藤井直人が務め、近年の政治スキャンダルを題材にタブーに切り込む。主演・米倉涼子が既存のイメージを封印して孤高の新聞記者に挑むほか、話題のドラマ「アバランチ」でも藤井監督と組んだ綾野剛が理想と組織の論理で葛藤する若手官僚を熱演、さらに藤井監督がどうしても描きたかった市井の人の目線という重要な役どころを横浜流星が担っている。
こうした骨太なドラマシリーズがあるかと思えば、3月には60万部突破の大ヒット恋愛小説を映画化した『桜のような僕の恋人』。原作ファンを公言してきた中島健人が主演、松本穂香との共演で涙腺崩壊必至のラブストーリーを紡ぐ。さらには、ごく普通の主婦が一線を超えて禁断の愛に走る『金魚妻』や、独身サラリーマンの桧山健太郎が予想外に妊娠したことで無意識の偏見が露わになってくるという社会派コメディ『ヒヤマケンタロウの妊娠』など実に多彩なラインナップ。一体、どんな物語を見せてくれるのか、今からわくわくせずにはいられない、そして2022年の年末には、あの「今際の国のアリス」のシーズン2が控えているのだ。
さらに言えば、『ARASHI’s Diary-voyage-』や『Flip a Coin -ONE OK ROCK Documentary-』などアーティストの素顔に迫るドキュメンタリーや、お笑いトリオ・ロバートの秋山竜次が様々なクリエイターに扮する「クリエイターズ・ファイル GOLD」、恋愛リアリティーショーの『未来日記』といったノンフィクションにも注力してきたが、2022年は一段と強化。注目は2月から配信の『ラブ・イズ・ブラインドJAPAN』。お互いの姿・顔を見ることなく心が通う結婚相手を見つけられるのかを実験するという米国発の恋愛リアリティーショーの日本版だ。全世界で人気らしいが、果たして日本の参加者たちの反応はいかに。そのほか、千鳥がMC・参加者として出演する『トークサバイバー!~トークが面白いと生き残れるドラマ~』や映画・舞台でキャリアを重ねてきた生田斗真の挑戦を追う『生田斗真ドキュメンタリー』などバラエティに富んでいる。
映画にドラマシリーズ、そしてノンフィクションまでさまざまなジャンルで、2022年も「ここでしか見られない!」という期待や驚きに応えてくれるのか。Netflixさん!?
文:前田かおり
<Netflix ライブアクション新作ラインナップ映像(日本作品)>
