エンターテインメント
2024年5月7日誰もが知っているグリム童話をNetflixで大胆にリブート。キャラクター原案にCLAMP、脚本横手美智子、音楽に宮川彬良を迎え、WIT STUDIOにてアニメ化したNetflixシリーズ「グリム組曲」。配信を記念し、各話の監督にお話を伺いました。 第一話「シンデレラ」監督 金森陽子 ――一話の見どころや注目ポイントを教えて下さい。 主人公の清子が本当に魅力的なので彼女の一挙一動を見守って頂きたいです。 ―― 演出するなかで特に意識した点、チャレンジした部分を教えてください。 CLAMP さんのキャラクターが動く世界を美術、色彩、着物のデザイン等で自分なりにイメージして映像におとしこ みました。各セクションの方々の尽力もありうまく昇華できたかと思っています。 ―― 制作中の出来事で印象深かったことはありますか? 様々なお屋敷のロケハンに行けたこと。参考のため着付けを習いに行って着物にはまりました。 ―― 最後にファンに一言お願いします 音楽やキャラクターデザイン、脚本等毎話数違ったアプローチをしていますので、ぜひお気に入りのエピソードを見つ けて(もちろん全話でも!)何度も見て頂けると嬉しいです!
第二話「赤ずきん」監督 赤松康裕 ―― 二話の見どころや注目ポイントを教えて下さい。 二話目赤ずきんは狼の視点から描かれたものになっています。若い男が初めて殺人に手を染め、その快楽に落ちて 行く。快楽に歯止めが効かなくなった男は殺しの作法もポリシーも持つ事が出来ずに次々と殺人をしてしまう。その 結果大きな代償を払う事になってしまいます。 この物語はたとえ特別な権限を与えられた者でも器が無ければ惨めな事になるという物語です。その様子をお楽し み頂ければと思います。 ―― 演出するなかで特に意識した点、チャレンジした部分を教えてください。 殺人の最中、男の目には血が美しく舞い散り最高に気持ちの良い瞬間を迎え、終わりが近づくと生苦しい血の滴り が見られます。美しいと気持ち悪いを感じつつ痛々しいシーンをお楽しみ頂きたいです。 ―― 制作中の出来事で印象深かったことはありますか? 主人公は鼻につく紳士的な演技から酷く情けなくなるまでの広めの演技幅が必要だったこともあり少し心配もあり ましたが、声優を担当して頂いた浪川さんの演技が凄くハマっていてお頼み出来て本当に良かったと思いました。 音楽収録は宮川先生の指揮のもと生演奏立ち合いで行われました。素晴らしい音楽を永遠と聴いていられると思い つつ音楽の力は偉大と感じました。劇伴は同一曲を全く違うアレンジにしていたりと凄く印象に残るものばかりで物 語に厚みが出ました。 ―― 最後にファンに一言お願いします CLAMP 先生のキャラクターデザインで描かれたグリム童話。素晴らしい音楽と共にお楽しみ頂ければと思います。
第三話「ヘンゼルとグレーテル」監督 橋口淳一郎 ―― 三話の見どころや注目ポイントを教えて下さい。 一話二話とノワールなお話が続いて、三話はどんなお話かというと、怪しい施設とみせかけて実際は子供たちが地 上で生きられるように育ててました、ちょっと手違いで追いかけっこしたけど行ってらっしゃいヘンゼル、泣くなヘン ゼル、つべこべ言うなヘンゼル、グレーテルに笑われるぞヘンゼル、そうだ歩いて行け!というお話になっています。 ダークなお話が続いて緊張したところに、早めのデザートのように、優しいお話をお楽しみいただければと思います。 ―― 演出するなかで特に意識した点、チャレンジした部分を教えてください。 お話のボリュームがとても大きいので、要素の取捨選択が課題でした。そうして出来上がった物語を、きちんとお客 様にお伝えできるのかということが不安でした。 これを解決するために、なるべく伝わりやすくすることを目標にしました。物語の中で何が起きているか分かっても らえれば面白さが分かってもらえる、面白さが分かってもらえれば最後まで見てもらえる、何度でも見てもらえる、 と信じて作業しました。 ―― 制作中の出来事で印象深かったことはありますか? アニメーターや背景美術の皆様に作業していただいて、色がついて動いている映像がそろっていく、という工程を経 て、ヘンゼルとグレーテルがどんどん具体的になっていく様を見られるのは、仕事上いつものことなのですが、やは り嬉しい体験でした。 最近は作業の成果物がサーバーに集められていて、会社のパソコンから現時点での最新が確認できたりします。これ はアニメが好きな人にとって大変な役得です。 ―― 最後にファンに一言お願いします もしまだご覧いただけていないようであれば、ぜひ、第三話「ヘンゼルとグレーテル」をご覧いただければと思いま す。もう見たよという方は、誠にありがとうございます、寝る前にもう一度ご覧くださいませ。 ヘンゼルとグレーテルはいい子たちです。ぜひ好きになっていただければと思います。また、作中でそれを育てた周 りの大人たちも、いい人たちです。ぜひ好きになっていただければと思います。サブキャラクターは一部を除いてデ ザイン上の元ネタがあるので、探していただけると楽しいと思います(だいぶ偏りがあります、すみません。とあるサ ブキャラクターは現場でずっと元ネタの名前で呼ばれていました)。 果たしてその後、ヘンゼルたちがどうなったのか、思いをはせていただければと思います(演出で協力してくださっ た松川様は、もしヘングレに続編があれば、きっとグレーテルが……、と楽しくも斬新な想像を語ってくださりまし た)。 スタッフロールをご覧いただければお分かりの通り、とても大勢のスタッフが関わっています。皆様一流のスタッフ です。ほかのタイトルでもその名前をたくさん見かけると思います。ぜひ注目してみてくださいませ。 何卒よろしくお願いいたします!
【第四話】「小人の靴屋」監督 鎌倉由実 ―― 四話の見どころや注目ポイントを教えて下さい。 もの作りをする人、そうでなくても何かしらをなそうとする人に刺さるお話です。 ひたすら出口を塞いでいく、打開点は見てる側には浮かぶのに、塞いで行く方に進んでいくお話です。 耳をすませて欲しい所は居酒屋に流れてる有線。 ―― 演出するなかで特に意識した点、チャレンジした部分を教えてください。 青と赤の世界にパッキリ分けた画面作り、本来あまりやらない手法でオリジナルならではと思って取り入れてます。 昼と夜なのか正気と狂気なのか、どちらなのか捉え方は見た人によって変わるかと思います。 ―― 制作中の出来事で印象深かったことはありますか? まだ音楽の発注の段階で直接生演奏でこういう感じ?っと目の前で弾いてもらって議論する機会はアニメーション を作る過程で経験したことのない体験でした。 自分と違う分野のスペシャリストに対面するのは脳の活性化を促します。 ―― 最後にファンに一言お願いします 話の中の裏と表の二面性を楽しんでもらえたらと思います。 主人公は正直に生き過ぎてマゾかな?って思うので、共感してもらえると幸いです。
【第五話】「ブレーメンの音楽隊」監督 竹内雅人 ―― 五話の見どころや注目ポイントを教えて下さい。 CLAMP 先生、横手さんと櫻井プロデューサーからいただいた見た目もステータスも個性豊かなキャラクターが今 作の最大の見どころです!大杉さんを筆頭にアニメーターの方々が腕を振るってくださったかっこいいアクションシ ーンも注目して欲しいです! 原作の根幹だと思っている「居場所」という要素は変わらず今作でも主題として置かせていただきました。家庭で、 学校で、社会で…それぞれの場所で戦っている人にぜひ観ていただきたいです! ―― 演出するなかで特に意識した点、チャレンジした部分を教えてください。 西部劇という要素はお声がけ時点で決まっておりましたので、その要素を含んだスチームパンクのルックイメージに させていただきました。斎藤さんの素晴らしい世界観ビジュアルのアイディアによってグッとスケールが広がったと 思います。 アニメで表現し辛いと思っている「目力」の演出は今作では個人的なテーマでした。おさまりや時間を使った「目力」 の意識と合わせて、デザインの観点からキャラクターデザインの大杉さん、簑輪さんと目の中についても拘りました。 ぜひ注目してみてください! また音響監督の小泉さん、効果の森川さんとミキサーの今泉さん含め音響チームの皆様とともに音にも注力しまし た。わざと OFF で動作音を聞かせる演出や、動作しているものがフォーカスされたときよりハッキリ聞こえたりなど 自分好みの音の演出をたくさん入れさせていただきました。 カラースクリプトの瀬田さんと「ラストのバトルシーン色」から最初にコンセプトを作りそこ基準で他シーンの色を構 成しました。美術の加藤さん、後藤さん、色彩の橋本さん、撮影の太田さんたちのお力あり最終画面も素晴らしい仕 上がりで本当に嬉しいです。 ―― 制作中の出来事で印象深かったことはありますか? 友人であるノブヒコさんとの分業コンテ作業は密に連携がとれてとてもありがたかったです! 音響面ではキャストの皆様のキャラクターへのご理解が本当に的確で感動したのを覚えています。また宮川先生との フィルムスコアリングのための音楽打合せと収録は LIVE イベントのような時間で大変貴重な経験でした! 現場では演出でご助力くださった橋口さん、川部さん、赤松さん、三上さん、高田さんは作品の理解度とディレクショ ンに安心感しかありませんでした。 またスタートからご一緒してくださった制作の島崎さんには、資料のお手配や潜在的にお持ちの演出的素養に何度 も助けられました。支えてくださった二宮 P と制作の石崎さんと橋本さんの作品完成への貢献度は計り知れません。 この場を借りてご助力くださったすべてのスタッフの皆様にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました! ―― 最後にファンに一言お願いします 数あるアニメ、映像作品の中から本作を見つけてくださりありがとうございます。原作をご存知の方も、アニメファン の方もそうでない方も、楽しんでいただけたら幸いです! よろしくお願い致します!
【第六話】「ハーメルンの笛吹き」監督 仲澤慎太郎 ―― 六話の見どころや注目ポイントを教えて下さい。 芸術という価値観が存在しない人間が初めてそれに触れた時、もしも感性が揺れ動き、感銘を受けたのなら 考え方や当たり前に見ていた景色や生活がどのように変化するのか。 良い影響を与えるか、もしくは雑念でしかないのか・・・ 主人公のマリアが音楽に初めて出会った瞬間の心のざわめきをどのように描くのかをアニメーションならではの表 現で挑戦した作品になっています。 ―― 演出するなかで特に意識した点、チャレンジした部分を教えてください。 私がお世話になっていたアニメスタジオの偉大すぎる監督たちは作品を世に出す意味を常に考え映画を作っている 人たちでした。今作品が初監督の私に何ができるのか。 マリアと同様に何かをきっかけに、たとえ他者から非難や罵声を浴びせられたとしてもそれでも「前に進んでいいん だよ」と背中を少しだけ押して上げられるような作品が作れたなら世に出す意味があるのではないかと。おこがまし いですがそんな事を意識して作品に向き合いました。 ―― 制作中の出来事で印象深かったことはありますか? 私はアニメーター上がりの演出では無いので絵が描けません。 私の拙い記号としての絵・指示書きをヒントにスタッフの皆さんが意図を汲み取ってくれて cut が完成していきまし た。特にメインスタッフの皆さんには助けてもらってばかりでした。 ―― 最後にファンに一言お願いします 沢山のスタッフに支えられ「ハーメルンの笛吹き」が生まれました。 楽しんで頂けたら嬉しいです。
【プロローグ/エピローグ】監督 久保雄太郎 米谷聡美
―― プロローグとエピローグの見どころや注目ポイントを教えて下さい 画面の質感です。グリム童話を大胆にアレンジした今回の作品だからこそ、プロローグ・エピローグではグリム童 話から誰もが連想する「メルヘン」「絵本」といった印象を持たせたアートスタイルを目指しました。また、話数 を重ねるごとに、どんどん不気味さを増すキャラクターの演技も注目ポイントです。 ―― 演出するなかで特に意識した点、チャレンジした部分を教えてください。 余白のある画面作りをした点です。絵本っぽさという意図も勿論あるのですが、プロローグとエピローグはグリム 童話出版前後を舞台にしていたので、その設定を活かした画面作りにしたいと思っていました。 具体的には、プロローグではキャラクターや背景にキャンバス地を部分的に残し、描き切る前の絵のような画面に しました。出版前の物語の始まりと、出版後の物語の終わりといった印象になっていればと思います。 ―― 制作中の出来事で印象深かったことはありますか? Take1 のカットが上がった時です。 担当したパートは尺に対して、制作期間が長めに準備されていたので、いろいろと試行錯誤する事ができました。 各所にはその分無理なお願いをしてしまった…と思っていましたが、美術・セル・撮影、のそれぞれが同じ方向に進めていた事への喜びと安堵があったのでよく覚えています。 ―― 最後にファンに一言お願いします CLAMP 先生の絵でグリム童話を描くなら、こんな線かな?こんな背景かな?と、作っていて本当に楽しい作品で した。『グリム組曲』というこの作品が皆さんの大切な一本になると嬉しいです!
【特別回】エグゼクティブプロデューサー 櫻井大樹 ―― グリム組曲の企画が立ち上がった経緯を教えて下さい 「グリム童話」を題材にした作品を作ってみたいと、前から思っていました。 これまで広く知られてきた「シンデレラ」や「赤ずきん」といったキャラは、ややもすると、カマトトぶっているようにも 思え、僕などは「実際は腹にイチモツを抱えているのではないか?」と、つい邪推したくなってしまいます。 この話を脚本家の横手美智子さんにしたところ、「そういうの書いてみたい!」と仰って下さり、本企画が転がり始め ました。 ―― 日本人にも馴染みのある「グリム童話」をアニメ化するにあたって特に意識した点を教えて下さい
「グリム童話」の中でも、誰もが知っている有名なタイトルを選ぶようにしました。 どこかで聞いたことがあるようで、でも何かが違い、途中からはまったく予想外の展開になっていく。 そうしたスタイルを、作品におけるひとつの軸にしたかったからです。 それは物語のみならず、音楽においても同様です。よく知られたクラシック曲を翻案にしつつ、各話の作風に合うように、宮川彬良先生にひとつひとつ、丁寧に編曲し ていただきました。 ―― 本作の見どころを教えて下さい まずは、CLAMP 先生による絢爛たるキャラクター原案と、その世界観を豊かな想像力によって押し広げて下さった WIT さんの仕事ぶりを見ていただきたいです。 6 話数において、6 名の若手監督が、それぞれに創意工夫に溢れた演出を担当して下さっているのも本作の大きな 見どころです。 また、全話数を通じて、陰日向なく作画を支えて下さったキャラクターデザイン・総作画監督の大杉尚広さんの活躍 ぶりは、とりわけ特筆すべきだと思います。 ―― 最後にファンに一言お願いします 「CLAMP 先生がキャラ原案をやってくれたら」 「横手美智子さんが脚本を書いてくれれば」 「宮川彬良先生が、音楽を担当してくれたら」 「WIT さんが現場を受けてくれれば」 架空のタラレバを妄想してても仕方がない。バカなふりして、とりあえず聞いてみよう。 そう思って、一人一人お願いしてみたところ、なんとその全ての妄想が叶いました。 これは奇跡です!ご覧になっていただく皆さんにも、この奇跡の目撃者になっていただければ幸いです。
ーーーーーーーーーーーーーー 【スタッフ】 監督
第一話 シンデレラ 金森陽子 第二話 赤ずきん 赤松康裕 第三話 ヘンゼルとグレーテル 橋口淳一郎 第四話 小人の靴屋 鎌倉由実 第五話 ブレーメンの音楽隊 竹内雅人 第六話 ハーメルンの笛吹き 仲澤慎太郎 プロローグ、エピローグ 久保雄太郎 米谷聡美 脚本 横手美智子 キャラクター原案 CLAMP キャラクターデザイン 大杉尚広 音楽 宮川彬良 アニメーション制作 WIT STUDIO 制作協力 Production I.G プロデューサー 和田丈嗣 エグゼクティブプロデューサー 櫻井大樹 製作 Netflix 【キャスト】 シャルロッテ 福圓美里 ヤコブ 鈴木達央 ヴィルヘルム 野島健児
Netflixシリーズ「グリム組曲」Netflixにて独占配信中