社会貢献
2020年9月15日2018年に、恵まれない学生たちに映画の製作について教えているInstituto CrieというNPOを訪問しました。訪問の目的は、「3%」の製作現場に迎えるメンバーを選ぶことでした。それは、Netflixが企画したBoost the Baseという、周辺地域の若者が、製作会社のエントリーレベルの仕事につけるよう支援するプログラムの一環でした。
この取り組みによって、ブラジル人が映画に出演する機会が少ない現状を変える手助けができることに喜びを感じていました。一方で、集団の中で人を選定することや、方法の是非を問うメッセージを込めた作品を製作しているのに、私自身は人をふるいにかけるのか、と疑問を持ったことも覚えています。そこで、全員採用しようと考え直しました。誰もが大興奮で、涙を流した人さえいました。
この取り組みの根底にあるインクルージョン、つまりあらゆる人の参加を歓迎し、個々の経験や能力、考え方を活かす姿勢、そしてそこから生まれるエネルギーは、2016年の製作開始以来、「3%」の原動力でした。ペドロ・アギレラの初監督作品の本作は、Netflixで最初のブラジル発オリジナル作品となりましたが、続くシーズンは新しい試みを取り込み拡充していきたいと考えるようになりました。そこで、シーズン3と4では、Netflixの二つの取り組み (Boost the Base/Shadowing) を支援し、映画製作の現場での活躍を夢見る、将来有望な若者たちを支援できる場を提供するに至りました。
シーズン3と4では、Boost the Baseの一環として、約30人の若者を採用し、トレーニングも行いました。主に黒人、女性、LGBTQ+の人を採用し、アート、プロダクション、メイクアップや衣装など、様々な部門に配属しました。
その内1名が、「3%」でメイクとヘアメイクを担当したジャクリーン・ヴィアナです。ジャクリーンは、黒人特有の髪質をスタイリングしてきた経験を活かし、黒人のキャストのヘアメイクを担当できたことで達成感を味わえたと話しています。また、我々にとっても、彼女の経験と技術力は大変心強く、実際に撮影された映像にもその成果が表れていました。
8月14日に公開され、「3%」の最終シーズンとなったシーズン4では、NetflixのShadowingを取り入れました。このプログラムは、将来有望な黒人女性の監督に製作を見学できる場を提供し、その経験を今後彼女たちが監督する作品に活かしてもらおうというものです。
最近、Instituto Criarを卒業したジェシカ・ケイロスは、4ヵ月の間に3人の監督に付き添い見学する機会を得ました。編集者から監督への転身を目指しているジェシカは、実際の現場で特殊撮影やポストプロダクション、キャスティングについて学ぶことができたと話しています。
本作で、これまでとは異なるチャネルから若手を起用したことは、我々にとって非常に有益で感慨深い体験となりました。異なる経験を持つ若者との触れ合いを通じて、私はプロデューサーとしても、ひとりのアーティストとしても、より広い世界観を持てるようになりました。また、少なくとも私が教えたと同じほど、彼らから教わったと思います。
それだけに、ジェシカのように、我々が支援したプログラムを経験した若者たちが、それぞれのキャリアで活躍する姿を見られることを大変嬉しく思います。ジェシカは、「3%」の製作に参加した後、CineBrasil TV製作の「Fim de Comédia (原題)」シリーズの監督を務めました。また、他のシリーズの個別エピソードを監督するオファーを受け、他に2つの製作会社から新シリーズの企画に加わらないかと声がかかっています。「Shadowingプログラムに参加することで、少なくとも私個人ではたどり着くことのできなかった仕事に、採用されうる土俵に上がれたと思います。閉鎖的な業界に風穴を開けてくれました」と、彼女は話します。
「3%」シリーズの根底にはいつも、ブラジルをより平等な国にしたいという思いがありました。そのため、本作の舞台裏でその思いに通ずる取り組みができたことは、我々にとって非常に重要なことです。製作は終了しましたが、「3%」は今後もNetflixで配信され、ファンを増やし、みなさんに楽しんでいただけるでしょう。ブラジルの業界でインクルージョンとダイバーシティを普及させていこうという我々の取り組みも同様に、今後波及していくことを願います。
